めじるし。

右側の、ふたつめの星を朝までまっすぐ。

インドの図書館ネットワーク

夜更けの地震で目が冴えて眠れなくなってしまったのでなんとなく更新。
本当は、はじめに。をポストした後すぐに何かネタをUPしたかったんだけど、その後けっこう忙しい毎日で><。
ここ2週間くらい、RSSフィードさえあまりちゃんとみられていない日々でした。

しかし、仕事関係でちょっとインドの図書館について聞かれて調べたので、その副産物を載せてみます。


インドの図書館ネットワークについての論文を2つほどみつけたので抄録をざっくり訳してみました。*1
冊子体があったんだけど、どっちもオンラインに記事があったのでリンクしておきます。(ページは冊子から。)
でもどっちも90年代後半で、もはや10年以上前の話なので、現状はまた変化してそうだけど…


Library automation and networking in India -- problems and prospects.
Vyas, S. D. : (World libraries ) 8(1) 1997 Fall: p. 27-35.
http://www.worlib.org/vol08no1/vyas_v08n1.shtml

インドにおける図書館の自動化とネットワーク構築 -- 課題と展望


本稿では、過去十年間のインドにおけるインフォメーション・シーンについて取り上げる。学術図書館の自動化とネットワーク構築はまだ発達段階にある。ネットワーク構築の理由、前提条件、利便性についてはすでに与えられている。国家および地方レベルでのネットワークシステムは1988年から機能しているINFLIBNETの際立った特徴として記述される。また、DELNET、CALIBNETそしてBONETのような都市部でのネットワークも存在する。3つの都市部の図書館ではすでにネットワーク構築の利益を享受している。インドの学術図書館におけるネットワーク構築の制約について説明している。結論としてはINFLIBNETのようなメジャーな情報図書館ネットワークはより現実的で期限を定めた計画を持つべきである。

  • INFLIBNET

http://www.inflibnet.ac.in/
http://en.wikipedia.org/wiki/INFLIBNET
これ、わりと名前をみかけます。
大学図書館とか、学術、研究系の図書館のネットワークらしい。
トレーニングとかもやってるっぽいけど、総合目録も作っている・・・日本で言うところのNIIみたいなものかなぁ?

  • DELNET

http://delnet.nic.in/
デリー地区の図書館ネットワーク
1991年にe-mailサービスとして開始

これは以前に出張に行ったときにちょっと聞きました。(デリーに行ったので、訪問先の図書館でわりとよく名前を聞いた。)
「デリー地区の」って書いてあるけど、現在の加盟館の所在地を見るとわりといろんな地域から加盟している。国外も。
総合目録やILL、電子資料購入のコンソーシアム的なこともやってるってきいたけど、総合目録は加盟館しかみられないみたいなので、国外から加盟してるのはそういうのがみたいっていうのもあるのかな?
デリーはやっぱり重要な図書館あるから、ここの総合目録公開してたら私もみたいなぁ。。。

  • CALIBNET

カルカッタ(現コルカタ)の図書館ネットワーク
URLが上手く見つけられず・・・(いくつか出てきたけど、なんかドイツ語のサイトになってたり、たぶん移転したのかなぁ。。。)
サーバにつながらなかったけど(よくある。日を変えてアクセスするとつながることも。)もしかしたらここかもしれない→http://www.calibnet.in/

  • BONET

ボンベイ(現ムンバイ)の図書館ネットワーク
これもうまく現URLがみつけられなかった・・・。もし後で見つけたら追記します。


ついでに気になったので図書館システムについて。

Library Software

The last few years have witnessed some useful initiatives in the development of library automation software. BHEL R&D, SAIL, ICRISAT, INSDOC, NIC, DESIDOC, and IIT Kanpur have succeeded in this sphere. MAITAYEE, LIBSYS, and TULIPS are software packages used by various libraries.(p.33)

私がみたところではこの中にあるLIBSYSっていうのを数館が使ってました。
LIBSYS に関する論文。

http://www.libsys.co.in/download/library_softwares_in_india.pdf 

なんだか一時的に?リンクがつながらないみたいです・・・ http://www.libsys.co.in/ このトップページの真ん中やや下あたりにある"Library Research"の中の"Library Automation Software packages in India: A study of the cataloguing modules of Alice for Windows, Libsys and Virtua"っていう論文です。

追記:National Institute of Science Communication and Information Resources (NISCAIR) のリポジトリにも同じ論文が入ってました。

http://nopr.niscair.res.in/handle/123456789/3225 *2


Library networking in India for resource sharing -- present status and prospects.
Kar, Debal C. : Bhattacharya, Parha : Deb, Subrata : (World libraries ) 9(1) 1999 Spring: p. 39-47.
http://www.worlib.org/vol09no1/kar_v09n1.shtml

図書館のネットワーク構築とリソース・シェアリング -- 現状と展望

インドの情報専門家、教育専門家および科学者らは、情報源を共有し、メカニズムを連携すべき時代がやってきたことを実感している。これはインドにおける情報のシナリオの目に見える変化の結果である。カルカッタのCALIBNET, デリーのDELNET, ボンベイのBONET, プネーのPUNENET, マドラスのMALIBNET, ハイデラバードのHYLIBNET, アーメダバードのADNETといった都市部のネットワーク, そして全国規模のERNET (Educational and Research Institutions), INFLIBNET (Universities and Research Institutions) やDESINET (Defence Laboratories), そしてBTISNET (Biotechnology Networks)のような分野別のもの。これらのようなたくさんの図書館リソース・シェアリング・ネットワークは概念化、デザイン、開発と実施といった様々な段階にある。本研究では、インドの主要な図書館ネットワークのうちのいくつかについて、簡潔に要点を示した。これらの図書館リソース・シェアリング・ネットワークの目的、サービス、機能、将来的な展望と完成の段階についても議論されている。本稿では結論としてこれらのネットワークの開発の障害となることについて簡潔に触れている。

一つ目の論文から一年後のだけど、取り上げている地域別ネットワークがちょっと多い。
分野別のネットワークもあるけど、けっこう理系に偏っている気がする。
こっちの論文ではリソース・シェアリングがテーマになっているので、詳細は省略します。(上のリンク先をご参照ください)


そして、この二つの記事が載ってたWorld librariesっていう雑誌、冊子では停刊してるっぽいけど、けっこう情報探すのが大変な途上国の図書館についてよく取り上げられているなぁ、と思ったら、継続前誌がThird World Librariesっていうタイトルだったっぽい。・・・なるほど。


World libraries
Rosary College Graduate School of Library and Information Science -- Rosary College, c1996-c2007 -- Vol. 7, no. 1 (fall 1996)-v. 15, no. 2 (fall 2005).


インドの図書館に関する書籍では、うちにはないけど、京大教育学部で所蔵してるこのシリーズがちょっと気になった。

Encyclopaedia of library and information technology for 21st century
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA51345193 
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA51345193 *3
50巻組!!
まあ、こういう多巻物のハンドブックやらエンサイクロペディアやらは、インドの出版物でよくあるんだけどもね。。。
でもこれでも2000年出版だから10年以上前なのよねえ。


統計データとかでも、全国規模でまとめたものがみつからなかった・・・。
日本でいう『日本の図書館』とか『図書館年鑑』みたいなののインド版があれば便利なんだけど、探した限りみつからなかった。


国立図書館Ministry of Culture(GoI)の所管だけど、Annual Reportとかみても、全国規模の図書館統計とかないし、教育関係の資料にのってないかな?と思ってみても、図書館に行きつく前に学校や識字率とかの方のデータで止まっている。
まあ、そうよね。。。たぶん、図書館より学校が先よね。。。

たぶん、インドは連邦制だから図書館行政も州ごとにやってるんだろうなぁ。
データもあるとしたら州レベル?
州ごとにさらっていかないといけないっていうことなのかしら。。。

まあ、でもどこかの論文とか、書籍にまとめたものがあるかもしれないけど。
今回はそこまで調べませんでした。

うちの環境からは読めなかったけど、この論文がちょっと気になったな。

Document Information: Title: The public library system in India: challenges and opportunities
Author(s): Maitrayee Ghosh, (Sardar Patel College of Engineering, University of Mumbai, Mumbai, Maharashtra, India)
Citation: Maitrayee Ghosh, (2005) "The public library system in India: challenges and opportunities", Library Review, Vol. 54 Iss: 3, pp.180 - 191
Keywords: Economic development, India, Public libraries, Rural economies
Article type: General review
DOI: 10.1108/00242530510588935 (Permanent URL)
Publisher: Emerald Group Publishing Limited

大学からはたぶんアクセスできる気がするので、今度行ったときに忘れなければみてこようっと。

*1:本当は、もっとインドの図書館全体の話を聞かれたんだけど、あまりまとまった資料がなかったことと、個人的興味ではこの辺がひっかかったので。

*2:しかしこのhandle・・・デフォルトのまんま!!w ハンドルシステム使ってないね(^^;dc.identifier.uriのところとか。。。リンク出さないようにしてるだけいい方かも。

*3:CiNii Booksのリンクの仕方も教えてもらいました(^^;ありがとうございました!