めじるし。

右側の、ふたつめの星を朝までまっすぐ。

霧の向こうのダージリン その0


まえがき

かれこれインドに住んで1年と3ヶ月が過ぎようとしています。
この間3月には1年ぶりに日本に帰ったりもしていたんだけど、前回のエントリは半年って書いてるね(^^;
放置するにもほどがあるな!(未公開のまま放置している下書きもある。。。)

半年目以降の近況報告としては、インド人で一緒に出かけるほどの友達はまだできないものの、英語学校に3ヶ月ほど通ってトルコ人のヤングガールと仲良くなったり、その後ヒンディー語を習い始めてアメリカ人と友達になったりしました。日本人の知り合いもちょっぴり増えたり。

本業のほうでは、報告書を毎月、3カ月おき、半年ごとという三種類書いており(つまり半年目・1年目には3種類一気に出すことになって涙目)、その他にも原稿書いたりしていたので、わりと文章の締め切りに追われがちな生活で、余計なテキストを書く余裕もなく、なんとなくこちらから足が遠のいてしまいました(^^;

まあ、最初はあれだけIncredible!*1と思ったインドでの生活も、1年もするとだんだんなじんできて、あんまり目新しいことがなくなるというのもあります。
あー、はいはい、またこれか。しょうがないわね、インドだもの。。。
てな調子です。
いちいちびっくりしたり怒ったりしていると、ただでさえ暑いのに疲れちゃいます。


さて、日本でも報道されていたようですが、今年のインドの猛暑といったら!
去年もデリーで47度とかになったりしていたのである程度覚悟はしていたのですが、報道されると余計に暑い気がしてくるし、連日45度以上の日々が続くともうぐったりするなんていうものじゃないです。
しかも、尾籠な話で恐縮ですがこの暑さで久しぶりに激しい下痢に見舞われ。。。原因は、お土産にもらって大切にとっておいた常温保存のたらこパスタソース、と思われます。。。考えてみれば45度って日本の「常温」の定義に当てはまらないよね。。。もしかしたら賞味期限も切れていたかもしれないけれど・・・。

一口食べて、うわ、なんかやばいかも?と思ってやめたんだけど、その一口があだとなりました。。。


話がそれたけど・・・


1年で一番暑いモンスーン前のこの時期は、インドでは夏休みに当たります。
通っていたヒンディー語の学校が1ヶ月お休みになるので、そこで出会ったアメリカ人の友人に誘われるまま、ダージリンに避暑に出かけることにしました。

ダージリンは、紅茶の好きな人なら聞いたことがあると思うけれど、インドの東側、ウエスベンガル州のはずれにあるお茶の産地で有名な土地の名前です。
ヒマラヤ山脈の低い位置にあり、イギリス植民地時代にはヒルステーションと呼ばれる夏の避暑地・療養地として利用されていました。
そして、シッキムやネパールと接するあたりにあり、チベット文化の影響も受けています。
仏教はともかく、チベット料理好きとしてもそそられるものがあります。

「デリーは暑すぎる!そして大気汚染も渋滞もひどい!対策も焼け石に水だし、いっそ首都移転すべきじゃない!?」なんていいながら、涼しいところにエスケイプすることに。

この時期ワールドニュースとかみているとデリーが世界で一番暑いんじゃないか!?という気がしてきます。
ドバイとかに比べればましかもしれないけれど、首都でこれだけ暑いのって、デリーくらいじゃないでしょうか・・・?

あまりダージリンに関する基礎知識もなかったけれど、冬に茶園に泊まりに行ったという知人の話を聞き、うらやましく思っていた私は避暑地への旅の誘いに一も二もなくうなずいたのです。

学校は休みだけど、私の仕事は休みじゃないので、一応土日にくっつけて有給をとりましたが、45度もある中エアコンのない席(赴任先から提供してもらった小部屋には扇風機しかない)で仕事してても著しく生産性が下がるというものです。。。たまには気分転換も必要よね?ね?


今まで、インドは出張でビハール、ケーララ、学会でジャイプール、日帰り旅行でアグラ、インド歴の長いデリー在住ベテラン日本人マダムたちにくっついてナーシク、ポンディシェリ(オーロヴィル含む)、研究者の先生方のお供で日本軍の足跡をたずねにインパールなどに行きました。
しかし、出張はともかく、基本的に一人旅が苦手で主体性の低い私は、年長者の後からくっついて行くだけという楽な方に逃げてしまいがちです。

けれど、今回は二人ともわりとインド初心者で旅慣れていないため、けっこうな珍道中になりました(^^;

世界遺産トイトレインの切符予約込みの代理店のパッケージツアー(移動日入れて二泊三日)を利用しつつ、それだけだと日程がタイトすぎて疲れて帰ってくるだけな気がしたので、+2日間のガイドなし自由行動をつけています。

出張だと報告書を書くんだけど、旅行だと放置してしまいがちなので、記録を兼ねてここに思い出を書き綴ってみようかと思います。

■主な登場人物紹介■

  • キショールさんダージリンに住む日本語が話せるネパール系インド人。この旅のガイド。
  • カルマさん:60代半ばのベテランドライバー。元軍人。切り立った崖も細くて曲がりくねった道でのすれ違いもなんのその。
  • :片言のヒンディー語と、日本語なまりにインド英語のニュアンスが加わった奇妙なブロークンイングリッシュを話す。適当な仏教徒

ステイシー・ジーがフレンドリーな性格のため、その他旅先で出会った人々も随時登場します。

*1:Incredible India、というコピーをインド政府が観光誘致に実際に使ってるんだけど、Incredibleって、すばらしい!驚くべき!っていう意味の他に、信じられない・・・っていう否定的なニュアンスもある、よね・・・?